時計と磁気の関係

時計と磁気の関係

●磁気による時計の影響
アナログクオーツ時計には、ステップモーターと呼ばれる仕組みがあります。



ステップモーターは電磁石の原理を利用し、駆動コイルとステーターとで電磁石を作り
永久磁石で出来ているローターと反発しあい、ローター時針を回転させ、針を動かしています。

日常生活において、電気製品などいろいろな製品に磁石が使われていますが
アナログクオーツ時計はこれらの製品から発生する次回の影響に耐えられる性能(耐磁性能)を持っていますが、耐磁性保証水準を超えた磁界に入りますと、永久磁石であるローターの動きが影響を受け、交流磁界では針がぐるぐる回ったり、直流磁界では止まったり、という現象が生じます。

ほとんどの場合、時計を磁界から離せば問題はありませんが、磁界の中にあった際に受けた影響は指示誤差として出てきますので、時刻修正する必要があります。
ただ部品によっては、その材質により磁化(着磁)されることもあります。
この場合は、脱磁するために時計をお預かりする場合があります。



●機械式時計
機械式時計(手巻き、自動巻き)の場合は、アナログクオーツ時計ほど顕著ではありませんが、強い磁界での一時的な遅れ、進み、あるいは止まりが生じることがあります。


●デジタル時計
デジタル時計はステップモーターの仕組みがありませんので、磁気の影響はありません。
ただし、デジタル部に磁石をつけると表示がおかしくなります


●日常生活における主な電磁気製品の磁界の強さ
密着状態での磁界の強さは
  • 携帯電話のスピーカー部(約22400A/m)
  • 磁気ネックレス(約96000A/m)
  • 家具のドアマグネット部(約64000A/m)
  • テレビ本体(スピーカー部は除く)(約800A/m)
他にも冷蔵庫のドアや文具関係など多くの磁気を利用した製品がありますので
接触しないように気をつけていただき、5cm以上は離してください。
*()内の数字は磁界の強さです。
1Gauss(ガウス)は約80A/m(アンペアパーメーター)になります。

磁界の強さは磁力を発する製品からの距離の2乗に反比例するために、少し離れた状態ではその数値は大きく異なります。
例えば約22400A/mの携帯電話のスピーカー部も5cm離れた状態では約1600A/mぐらいになります。


●耐磁表示
  • 腕時計としてほとんどの時計が耐えられる耐磁性保証水準は1600A/m
  • 耐磁表示している時計は日常生活において、磁界を発生する機器に5cmまで近づけてもほとんどの場合 性能を維持できる耐磁性保証水準(JIS規格の規定)は4800A/m
  • 二種強化耐磁表示している時計は日常生活において、磁界を発生する機器に1cmまで近づけても ほとんどの場合性能を維持できる耐磁性保証水準(JIS規格の規定)は16000A/m